育んであげたい、0~3歳の心の発達/ 赤ちゃんのサインに応える
子育てのこと
赤ちゃんのサインに応える
#育んであげたい、0~3歳の心の発達
#赤ちゃんの働きかけに応じて育む信頼関係
#赤ちゃんの働きかけに応じて育む信頼関係
生まれてすぐから1年の子育てで、重要なことは「泣く」「ニコニコする」という赤ちゃんからのサインにていねいに応えること。極端に言えば、これさえ出来ていれば合格です。
赤ちゃんが泣いたら必ず、そばに行って、おむつを調べたり、抱っこしたり、ミルクをあげたり、やさしく声をかけたりしてあげてください。お母さんの手が離せないときは、お父さんや誰か他の人にお願いしてください。この繰り返しで赤ちゃんは「泣く」という表現手段で何かを訴えると、必ずあたたかく対応してもらえて、自分を気持ちよくしてくれるということを学びます。
赤ちゃんは自分が生まれ落ちた世界が安心できるところなのか、危険なところなのかわかりません。でも、「泣く」というサインを出せば、やさしく応えてくれることで、この世の中はいい世界なんだと赤ちゃんが安心できます。そして、自分のサインに応えて、いつもお世話をしてくれる人に愛着を持つようになります。その人のにおいや声、それが大好きになるのです。サインに応える側も脳下垂体から子育てホルモンと呼ばれる「オキシトシン」がでて、互いにそばにいたいと思う気持ちが自然と育まれていくのです。
ゼロ歳のときに、こういった親子間の愛着、信頼関係をつくっておくことが、この後に続く成長にとって、とても大切です。生後6カ月を過ぎたころから、知らない人の顔をみて泣く、つまり“人見知り”をするということは、世話をしてくれる特定の相手との愛着関係がしっかり出来てきているということでもあるのです。
- お話をお聞きした先生
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小児科医お茶の水女子大学 名誉教授榊原 洋一 先生
専門は、小児神経学、発達神経学など。子どもの心と体の発達に関する著書多数。日本子ども学会理事長。発達障害研究の第一人者であり、現在も子どもの発達に関する診察、診断、診療を行う。