赤ちゃんの発達を考える/ 男の子と女の子の脳は違う?
赤ちゃんのこと
男の子と女の子の脳は違う?
#赤ちゃんの発達を考える
男の子と女の子に生まれつきの性差があることは、子育てをする上で知っておいた方がよいことの1つかもしれません。「性差」には2種類あって、1つ目は身長や体形、声の質などの「生物学的」な性差、2つ目は生まれてからの育てられ方という「社会的」な性差です。日本でも最近は、後者の社会的・文化的性差が少なくなり、「ジェンダー」という考え方が広まってきました。女の子がサッカーしてもよいし、男の子が人形遊びをするのも受け入れられるようになってきたことは歓迎すべきことです。
脳の構造は男女で違っていて、女性は記憶力、社会的認知力、分析能力、直感的処理能力に優れており、男性は運動能力、空間認知能力、知覚と協調動作に優れています。子どもにおいても、想像力を発展させて遊ぶ「ごっこ遊び」などが好きなのは女の子で、男の子は凝り性で自動車やら昆虫やら、何か1つのことに熱中したりする子が多いようです。
こうした男女の脳の違いは、実はママのおなかの中で始まります。脳の基本形は女脳で、妊娠6週から24週くらいにかけて、男の子では男性ホルモン(テストステロン)が大量に算出されて、男性器が形つくられ、脳の男性化が起こり、そのホルモンの量で男性化の程度も決まるのです。
男の子と女の子の性差を少し頭の隅において子育てをすると、お姉ちゃんと弟を比べたりすることもしなくて済むかもしれません。
- お話をお聞きした先生
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小児科医神戸大学 名誉教授中村 肇 先生
専門は、小児科学、新生児学。神戸大学医学部附属病院院長、兵庫県立こども病院院長を歴任。あたたかい心を育てる育児の大切さを提唱。