赤ちゃんの発達を考える/ 飲む量は赤ちゃんが決める?
赤ちゃんのこと

飲む量は赤ちゃんが決める?

#赤ちゃんの発達を考える

小児科医の小西先生によると、産後2カ月くらいのころのお母さんたちによく相談されるのが、「おっぱいやミルクを思ったほど飲んでくれない」「飲む量が減り、1日12~13回、哺乳を繰り返しても飲んでくれない」という悩みだそうです。実はこのころはちょうど、赤ちゃんが飲む量を決めるようになるころで、飲みたいときに飲みたい量しか飲まないようになってくる時期。「飲む量くらい自分で決めるよ!」という、おそらく、赤ちゃんの一番最初の自己主張なんだそう。

あんまり飲まないので、飲ませるのをやめると、すぐにおなかがすいて、また哺乳。「えー、なんで、どうしたいのよ?」と言いたくなります。これは、少しづつ飲み続け、いつもおっぱいやミルクがおなかにたまっているような状況になっているようです。赤ちゃんの胃のPH(酸性、アルカリ性を占める数値)を調べると、飲むときと空腹のときにはきれいな山ができるそうですが、ひんぱんに哺乳すると山が下まで落ちず、空腹感がなくなってしまうとか。少しくらい泣かせても時間をあけ、ちゃんと空腹にしてあげて1回の量を増やせば、また、たくさん飲むようになるそうです。体重さえ減っていなければ、お母さんが思うほどミルクを飲まなくてもいいんですね。

赤ちゃんが、「これだけしか飲みたくない」「もうこれでけっこう」と自己主張している。。そう考えてみると、これはお母さんにとって困った問題ではなくなります。「おっぱいやミルクを飲まなくなった」という現象も、「ちょっと成長したんだなあ~」「自分の意思が出てきたね」という新たな見方をすることができると、親の思い通りにいかないことも少し納得できる気がしませんか?そして、ここからが本格的な赤ちゃんとのやり取りの始まりなのかもしれませんね。

※この内容は小西先生の下記の著書を参考にManabiyaがまとめたものです。
小西行郎著. 『はじまりは赤ちゃんから』. 赤ちゃんとママ社, 2013,128p