“腰すわり”ってどんな状態?
ここでは、「腰すわり」がどんな状態なのか、また、遊びの中でおすわりの練習をする方法についてご紹介しましょう。
“腰がすわる”“おすわりができる”
生後5~6か月頃の赤ちゃんをおすわりさせると、手を前方についた状態なら少しの間そのままでいられるかもしれません。でも、寝た姿勢から自分で起き上がっておすわりできるようになるのは、生後8~9か月頃(80~90%の赤ちゃん)になります。赤ちゃんがおすわりができる前段階の頃には、だいたい次のような発達や運動ができるようになっています。
・首がすわっている
・寝返りができる
・うつぶせから手で床を押して支えながら、身体を回して起こせる
・重力に抗して背筋をしっかり伸ばせる(体幹の中心がしっかりしていること)
赤ちゃんが起き上がる際の一般的なパターンは、「仰向けから寝返りをしてうつぶせになる →床を手で押しながら身体を回しておすわり姿勢(足を投げ出したおすわり)になる」のような形になることが多いでしょう。(下記イラスト参照)
一部の赤ちゃんは、うつぶせから手で床を押して身体を回さずに両足の間にお尻を置く「割り座」になる児もいます。
おすわりがもっと熟練してくると、両手を床につけずにおすわり姿勢を保持した状態で、おもちゃを手に持って遊ぶことができたり、振り向いたりすることができるようになります。
遊びの中でおすわりの練習をしてみよう
赤ちゃんは、目に見えなくてもきっと次の段階の準備をしています。それをちょっと後押しするくらいの気持ちで、赤ちゃんの状態に合わせて、一緒に楽しみましょう。
1. 大人の両足の間に赤ちゃんを座らせる
2. 赤ちゃんの骨盤を大人のひざで挟んで安定させてあげる
3. 赤ちゃんの前にプレイジムなどのおもちゃを置く
4.赤ちゃんが自発的に上前方に手を伸ばしてくるよう促す
(背筋を伸ばすと同時に、体幹前面の筋肉が働きやすくなります)
- お話をお聞きした先生
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理学療法士元 杏林大学 保健学部理学療法学科 教授中野 尚子 先生
赤ちゃんの姿勢運動発達や行動発達、動作分析を長年にわたって行う。日本赤ちゃん学会評議員。現在は東京大学大学院教育学研究科で研究を継続。