赤ちゃんは算数がわかる?
0歳の赤ちゃんでも数と簡単な計算がわかると言われると少し不思議な感じがするかもしれません。
赤ちゃんには意外なことや不思議なことには長時間注目するという傾向があります。それを利用して東京大学大学院総合文化研究科のグループが実験をされています。
生後5~6カ月の赤ちゃん50人に、テレビ画面で人形が地面に1個づつ落ちては”トン“という音がする様子を4回見せます。次に、実際に人形を持ってきて、赤ちゃんの前で落として”トン“という音を聞かせます。その後、人形を落としたあたりを幕で隠して”トン”という音だけを聞かせて、幕を上げます。そこには2つ人形があります。
同じように赤ちゃんに見えるように人形を1つ落として”トン”という音を聞かせ、そのあと幕で隠して、今度は2回”トン””トン“と音だけを聞かせるのですが、置いておく人形はさっきと同じ2つだけにします。人形は2つ、音が2回というのは当たり前ですが、2回目のケースで、人形は2つ、音が3回というのはつじつまが合いません。
さて、赤ちゃんはどういう反応を示したでしょう?なんと85%の赤ちゃんたちが人形が2つ、音が3回の方を約3~7秒長く見つめていたといいます。赤ちゃんにすれば、「1+1=2」は納得できるけど、「1+2=2」は何かおかしいと長時間注目した、こうした実験から、ゼロ歳の赤ちゃんには、数に関する簡単な理屈がわかっていると考えられるようになってきたのです。生後5カ月という短い間に外側から教えられたということは考えにくいなど様々な条件を考慮にいれると、数や計算の元になるものは、赤ちゃん自身が持っていると見た方がよさそうなのです。
小西行郎著. 『赤ちゃんのからだBOOK』. 海竜社. 2008. 215p
- 小西行郎先生の著書からご紹介
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赤ちゃんManabiya編集部
長年に渡ってアップリカの「赤ちゃん医学」をご指導いただいた小西先生。先生の著書から、プレママ・ママにぜひ知ってほしいことをご紹介します。