大人と違う赤ちゃんの特長ってなに?ー 8つの特性 ー/ 赤ちゃんの頭はなぜ大きい?
赤ちゃんのこと
赤ちゃんの頭はなぜ大きい?
#大人と違う赤ちゃんの特長ってなに?ー 8つの特性 ー
#頭と首
#頭と首
ヒトの赤ちゃんは、大きい頭を持って未熟な状態で生まれてきます。下記の図をみても新生児のときは4頭身くらいだというのがわかります。牛や馬は産み落とされたらすぐに立ち上がって歩けますが、ヒトの赤ちゃんが同じように成熟した状態で生まれるためにはあと1年かかってしまいます。
「からだのつり合いと年齢」(ネルソン小児科書)を元に作成
大人に比べて頭が大きいというのは、頭の中身、つまり脳の大きさが体に対して相対的に大きいことを意味しています。その理由は、胎内にいる頃から、脳が一足早く発達するからです。未熟な状態で生まれるといっても、外の世界に生まれ出ていくために必要な準備は整えて生まれてきます。何もしなくても快適でいられたお腹の中から、すべて自分でこなさないといけない外の世界に出てくるためには、脳をはじめとする神経系がお腹の中にいるときから、発達しておく必要があるのです。
ちなみに、脳の重さは新生児で300~400g位、体重の10%位です。それに対して大人は1200g~1500g。4~5歳頃には大人と同じくらいになります。頭の大きさはその頃でほぼ完成して、後は中身の脳がどんどん発達していきます。
出典:Dekaban,A.S.and Sadowsky,D.,Changes in brain weights during the span of human life:relation of brain weights to body heights and body weights,Ann.Neurology,4:345-356,1978 より一部改変
- お話をお聞きした先生
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小児科医お茶の水女子大学 名誉教授榊原 洋一 先生
専門は、小児神経学、発達神経学など。子どもの心と体の発達に関する著書多数。日本子ども学会理事長。発達障害研究の第一人者であり、現在も子どもの発達に関する診察、診断、診療を行う。