“産後うつ”って知ってる?
“産後うつ”とは、ひとことで言うと、産後にあらわれるうつ状態のことをいいます。気分が落ち込んだり、楽しいという感情がなくなったり、自分を責めたりする気持ちが強くなります。症状が2週間以上続き、産後3か月以内に発症することが多く、日本では10%前後の母親がこの病気にかかると言われています。※1
“産後うつ”について、妊娠中のママはどれくらいご存じなのでしょうか?
赤ちゃんManabiyaでは、2022年12月に1人目が2歳までの産後ママ729名と1年以内に1人目を出産予定のプレママ312名にインターネットでアンケート調査を実施しました。
その結果によると“産後うつ”について「詳しく知っている」「おおよそ知っている」が合わせて約7割弱、「名前だけは知っている」という人を合わせると、ほとんどの人が何かしらこの言葉に触れたことがあるという結果となりました。
では、“産後うつ”の実態はどの程度なのでしょうか。
今回の調査結果では、産後ママの約半分(48.5%)が産後うつ、あるいは「子育てから逃げ出したいそれに近い状態になったと回答しています。また、産後ママの約4割の人(41.9%)が妊娠中から産後うつになるかもしれないという不安を持っていたことがわかります。
女性は元々、男性に比べて2倍うつになりやすく、生涯の中でうつになりやすい時期のひとつが産後と言われています※2。原因としては出産にともなうホルモンバランスの乱れがあるようですが、“産後うつ”は誰にでもなる可能性があり、ひとりでは解決できないことです。本人も気づいていない場合もあり、周囲の気づきやサポートがあれば、早期発見で、より回復も早まることを心に留めておいてください。
また、産後からだけでなく、妊娠中から“うつ”が出現することもあります。最近は、不妊治療で「妊娠がゴール」になっている方も増え、妊娠、出産、そしてその後にも育児が続くことをイメージできていない方も多く見受けられます。分娩も育児もひとそれぞれ、子どもの成長もそれぞれです。妊娠中から心のゆとりを持って、自分のからだや気持ちの変化に気づけるように、そして産後も子どもの個性に臨機応変に対応し、『しなやかな育児』を楽しんでもらえたらと願っています。
https://www.jaog.or.jp/qa/confinement/jyosei200311/ , (参照 2023-03-10)
※2 杉山暢宏,田名部はるか. 「うつ病の性差について」 『信州医誌』,66⑶:185~193,2018
- アップリカの考える出産・育児の大切なこと
-
赤ちゃんManabiya編集部
1970年に小児医学を中心とするさまざまな専門家と共に赤ちゃんの未熟なからだと心について分析・研究を始め、以来、知識や知見を「赤ちゃん医学」として積み重ねてきました。
※監修 柏崎 香織 先生