出産前に読んでほしい”ママのこと””赤ちゃんのこと”/ 未来への保険「さい帯血」 その1 「さい帯血」って、なに?
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未来への保険「さい帯血」 その1
「さい帯血」って、なに?

#出産前に読んでほしい”ママのこと””赤ちゃんのこと”

「さい帯血」という言葉を聞かれたことはありますか?

最近は、再生医療の研究がどんどん広がり、出産時にしか採取できない「さい帯血」を自分の子どもや家族の将来の治療に役立てたいと、多くの妊婦さんが関心を持たれるようになってきました。

その価値についてはなかなか想像がつかないかもしれませんが、子どもに残せる保険のようなものと考えてもいいかもしれません。「さい帯血」に関する基本的な知識について、3回に分けてお話しましょう。

「さい帯血」とは?

お母さんと赤ちゃんを結ぶへその緒を「さい帯」といい、そのさい帯と胎盤の中にある血液を「さい帯血」と呼びます。「さい帯血」は赤ちゃんが生まれると通常は胎盤と一緒に処分されてしまうものですが、 出産直後から胎盤がはがれ出るまでの間に、へその緒から採取することが出来ます。

「さい帯血」の中には、血液の元になる細胞(造血幹細胞)がたくさん含まれており、難病の治療に役立つことがわかっています。

「さい帯血」はどんな病気に役立つの?

例えば、白血病や再生不良性貧血などの血液に関する病気の治療にとても役立ちます。
「さい帯血」の中の造血幹細胞を、正常に血液が造れなくなった患者さんに移植し、正常な血液を造る力を回復させる治療に使われます。

どのように保管、活用されるの?

出産時に採取された「さい帯血」はさい帯血バンクで長期保存されます。バンクには公的なものと民間のものがあり、民間のさい帯血バンクの場合は、脳性まひや自閉症、小児難聴でも使用されています。

もし、あなたが、将来、お子さんやその兄弟、家族が病気になったときに使いたい場合は、「民間さい帯血バンク」(保管は有料)、ボランティア的な発想で、難病で治療に困っている方に役立ててもらいたいと考える場合は、「公的さい帯血バンク」(費用負担なし)で保管することになります。

再生医療の分野で、「さい帯血」を用いた治療は今後の研究でも利用可能な疾患がさらに広がっていくことになるでしょう。「未来への保険「さい帯血」 その2 どこに預けるの?」、民間バンクと公的バンクの違いなどをもう少し詳しくお話しましょう。

お話をお聞きした先生
産婦人科医かしわざき産婦人科柏崎 香織 先生

最新の設備と専門機関との密な連携で妊婦さんの安全・安心な出産を第一とした診察を行う。自身も二人の子どもの母親であり、女性ならではの視点で妊婦さんに寄り添う。